2013/11/04

トランジスタスタジオさんセッション in CG WORLDクリエイティブカンファレンス

前回の内容の続きになりますが、トランジスタスタジオさんのセッションについて、簡単にですがまとめておきたいと思います。
※個人的なメモですので、大まかなまとめであることをご了承ください


森江さんによるアニメーション論

最初に現在までのアニメーションリールを見せてもらい、そこから自身のアニメーションがどのように成長していったか。
最初は何が良いアニメーションで、駄目なアニメーションなのか、良い悪いはわかるが、「何が」悪いのか、わからなかった。転機となったのはフリーダムプロジェクト。森田修平監督の下、このプロジェクトに関わることで大きく成長できた。

森田修平監督インタビュー
http://freedom-project.jp/special/01.html


-CGでも一枚画の連続で、その一枚一枚がどれだけかっこいいかが重要
-CGツールの特性(連続した画がすぐにできてしまう)に依存せず、いかに一枚の画を作れるかが大事だと気づいた

>>(感想)よく言われることですが、森江さんから言われると、おぉほんとそうだ!と腹にすとんとおちるものがありました。しかも、これはエフェクトにもあてはまる原則だと思うんですよね。
エフェクトもシュレーションをしてしまえばそれっぽい画が出来てくるのですが、それだけでは決して素材とマッチしたかっこいいエフェクトにならないです。どれだけ1フレームごとに切り取ってみてもかっこいいエフェクトにできるかが本当に大事だと思います。はっきり言って難易度は高いですが、やはりいいエフェクトはそうなっています。
目指すべきゴールはエフェクトもアニメーションも同じだと気づかされました。

CGアニメーターと演出
アニメーターと演出はすごく近い。アニメーションをやっていくと、レイアウトも行うことになる。レイアウトは、カメラの知識、映像理論、心理学など多くの要素が含まれる。スペーシング、ポージング、レンズ、によりキャラクターの感情を表す。
これらは初の監督作品のExpressで活かされている。



上達するためには
手を動かす。練習、努力のみ。
フリーダムプロジェクトの時は、2年間毎週チェックで死にそうになったが、そのときの成長は振り返ると大きかった。

参考
大友克洋最新作『SHORT PEACE』公開記念(1)『九十九』森田修平監督インタビュー

Houdiniセッション
MayaとHoudiniをどう行き来しながら制作をおこなっているか、Expressの例を参考に

Maya to Houdini
アレンビックをベースとした、ジオメトリのコンバートのツール(pythonベース)を自社で開発。Mayaからボタンを押すだけでHoudiniに持っていけるabcファイルができる。
カメラはチャンネル情報をchopに書き出す(アップデートがしやすいようにということでした)
Houdiniに持っていくのは、マットとしてのジオメトリとキャラクターのみ。テクスチャーなどはエフェクトには関係が無いためもって行かない。必要なもののみ。

>>Houdiniを使用しているスタジオは、やはり同じような仕組みを作らざるを得ないですよね。ちなみにアレンビックも、どの方式がベストかは試行錯誤がありましたが、Maya2013の標準プラグインがベストなんではないかというのがうちでは今のところの結論で、それをベースにCTOがごりごりとツールを開発してくれています。

Houdini to DEADLINE
ディスパッチャーとしてDEADLINEを使用している。
HoudiniのRopから、キャッシュ、レンダリングを一度に行えるOTLを開発。

>>すごく便利そう!これはぜひ参考にしたい仕組みです。。

Motivation
CG WORLDで連載を持たせてもらうことで、非常にモチベーションに繋がっている。毎月忙しい中で、違う画を作っていくのは本当にしんどいが、新しいチャレンジができている。
-人に見せることが大事。見せたくないクオリティのときもあるが、それでも出していくことが大事
-人は試合がないと、練習しない!
-webにアップロードするなどして、人に見せる機会を作らないと!

Advantage
エフェクト以外でも、Houdiniが使える方法もある。
スチームボーイではHoudiniのカメラマップが使われていた。
最近開発された、Houdini EngineでHoudiniのアセットがMayaでも使うこともできるようになってくる。
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以上です。
何か間違いや理解違いがあれば、コメント欄等でご指摘いただけると幸いです。

日本に戻ってきて、エフェクトだけではなく、アニメーションやレイアウト、演出面も考える機会があったため、今回のお話は非常に多くの気づきがありました。

これを聞いてどう動くかは、あなた次第です!!ってことですYONE!!