2011/09/26

海外での英語学習について

カナダに来て、まぁ当たり前ですが、英語の習得方法についていろいろと考えることがあります。


現地の語学学校に行けば英語がしゃべれるようになると思ったけど、、、
という留学生の後悔の念を良く見聞きしますがその意味がよくわかる今日この頃。

もちろん、そんなに甘くはないと思っていましたよ。
とは言え、心のどこかで、ほんのちょびっとは、でも毎日英語に触れていれば、1,2ヶ月もすれば多少はしゃべれんじゃないかなーーー、と思っていたのは事実。
しかし、全く、パーフェクトに、100%、そんなことは無いですね。

今、通っているのは、Vancouver Community College という公立大学のようなところの英語のコースなのですが、
先生から毎日口を酸っぱくして言われるのは、Hard work以外に英語の上達の道は無い、ということです。
ひたすら、練習あるのみだと。
Reading, Listening, Writing, Speakingそれぞれをひたすら地味にやるしかないということです。
もっと読め、もっと書け、もっと聞け、もっと話せ、もっと早く、かつ正確に。That's it! これだけです。

授業も特別なことはやりません。
例えば、グラマーは時制から習います。

時制??いまさら?グラマーはもういいよ(゚Д゚) と最初は思ったのですが、
こちらで習うグラマーは、日本で習っていたのと感じが大分違います。
というか、かなり違います。
日本で習うのは、一度日本語で加工された英文法ですが、こちらで習うのは、当たり前ですが、英語の文法を英語ままで習います。生な感じです。日本語で難しくされていない分、新鮮に感じます。
そう、非常にシンプルです。

この違いを言葉にするのは難しいですが、

例えば、こういうことです、

It has rained all night.

という例文があります。これおかしいと思いますか?

受験英語だと、えーっと現在完了形で、継続用法だから、一晩中雨が降っていた、でOKでは?
と思うと思うのですが、

これが違います。

haveを使おうとするならば、正しくは、

It has been raining all night.

にしないと駄目なんですね。

ためしにgoogleでこの2つの例文を入れて頂くと、上の例文はほとんどヒットしません。
(It rained all night が代わりに出てきますね。)

これはなぜかというと、完了形(perfect)現在(simple)は意味としては、
past events related to the present by time.

を意味します。つまり、現在も何らかの形で継続していることを表します。

この例文の場合、一晩中雨が降っていて今も継続して降ってるよー、
という意味でないとhas(have)を使うことができません。

例えば、
It has rained since last night.

こらならOKです。since があるので、昨晩から、ずっと雨が降っている。
今も降っている感じが残りますね。

ただし、元の例文では、all night です。
一晩中。どの晩かと言えば、hasが使われていることを考えると、現在から見ての晩、つまり昨日の晩でしょう。

ということは、(昨晩)一晩中雨が降っていた、という状態を、今現在も継続していることを明らかにしないといけません。
そこで現在形ではなく、進行形(progressive)の have been -ing が使われる、という寸法です。


日本では、完了形は、完了と継続と経験と、、、みたいな説明で習います。
そいう複雑な説明はありません。もっとシンプルですが、上記のようなロジックがあります。
そのロジックにそって、ネイティブがどう感じるか、を習っていきます。

あまりうまく説明できている気がしませんが(苦笑、
これは、グラマーの例ですが、リーディングなどもロジックをベースに学習していきます。

というわけで、こうやって学校ではひじょーに地味に基礎部分から積み上げていくので、日常の英会話能力がみるみる上達しているか、と言えばそうなっていないぞと。。
もちろん、こういうベースがあるので、話すの時に以前よりも頭を整理して喋れている、ような気がします。
しかし、スピーキングはまた別の頭の使い方をしないとなかなか上達しないことに気づきました。
この話はまた別の機会に。

ひとまず、学校で英語をどう習っているのか、ということと、英語圏にいてもすぐに喋れるようになるわけじゃないぞ、というソクラテス以来の自明の真理を、自戒を込めて敢えてここに記しておきたいと思います。





2011/09/09

レンガを積むがごとく

あっ!


っと言う間に、Canadaに到着してからから1ヶ月がたちました。
この1ヶ月を、ざざっと振り返りたいと思います。

はじめの10日間はこの街に慣れること、銀行口座の開設や携帯電話の登録などのもろもろの雑事に翻弄されました。
慣れない土地、そして日本語ではなく英語で、生活の基盤を作っていくことの難しさ。
中でも精神的に一番きつかったのが家探し。
日本人同士のシェアであれば、探すのはそんなに難しくないのですが、せっかくカナダに来ているので英語を使える場所に住みたいと思っていたこともあり、cragelistという掲示板を使って家探しを行いました。
ここに物件情報が毎日100件近く上がってくるので、そこから良さそうなところにメールをひたすら送って返事を待つという作業の繰り返しだったのですが、この時期、競争率が高いためか、オーナーにメールをしても返事がないのが当たり前。また運よくコンタクトが取れ、家を見てもなかなか思う通りではなく、仮住まいのつもりのホステル暮らしが10日以上続きました。人間にとって家が決まらないとはこうも辛いものかと初めて知りました。

永遠にホステル暮らしが続くんじゃないかと思った8月某日、探し始めてから10日目、しかしようやく今のシェアハウスが見つかりました。カナディアンとブラジリアンの3人と、犬1匹のシェアハウスで、ベースメントには、メキシカンとコリアン、日本人、ブラジリアンが住んでおり、相互に交流もあって快適かつ楽しく暮らせています。

シェアハウス外観
引っ越した当日、8月7日からシーグラフが始まり、ジョブフェアや各種イベントに参加。
日本人の諸先輩方や、海外のCG Artistの方と知り合うことができました。

シーグラフが終わってからは、各種証明書の手続きや、今度は学校探しで家とダウンタウンを往復する日々。
なんとか、学校も決まって今週から通い始め、また自転車も安く手に入れられたので(写真にもちょっと写ってますが)、行動範囲も広がり、だんだんと日本にいるのと同じような生活を送れるようになってきました。

就職活動について。
実家の両親からディスクトップPCを送ってもらい、制作環境が整ったので、改めて自身の今後のスケジュールを立て直しました。
ひとまず、シーグラフのときにアプライした先からは返事がほとんどもらえていない現状を踏まえ、もう一度デモリールを作り直すことからはじめています。

Houdiniメインのリールを作る方針は変えずに、もっと各種エフェクトを使って実写素材との合成を前提としたショットを増やしていこうと思います。10日スパンで種類の違うエフェクトを1ショットづつ制作していく予定です。で、11月末で一旦デモリールをまとめて、そこから各プロダクションに応募していく計画です。
ちょと気の長い話ですが、ここは焦ってもしょうがないので、自分の納得できるリールを作るという姿勢を貫いて、じっくりHoudiniリール作りを進めて行きます。

最後に、タイトルにもあるのですが、言葉の通じない国で生活していて、ほとほと落ち込んだときに励まされたblog記事があったので紹介したいと思います。

blog 冬の散歩道

頑張れ、新留学生~レンガを積むが如く


もちろん、日本で生活していても日々辛いこと、苦しいことは山のようにありますが、言葉が通じない時の深い失望、惨めな気持ち、疑心暗鬼、そしてそんな自分と向きあう辛さ、というのはこれまでにない異質な経験だと思います。
外国で生活する人は誰もが通る道だと思いますが、そこからどう立ち上がるか、この記事を読んで様々な気づきがありました。
うまくいかないことばかりですか、諦めず自分なりのレンガを一つ一つ積み上げていきます。


以上。