2012/02/27

THE 84th ACADEMY AWARDS

こちらの時間でもうすぐ、第84回のアカデミー賞授賞式が始まります。
日本にいる時はWOWOWが必要で時差もあり見る機会がなかったのですが、今回北米にいるということでしっかりとアカデミー賞を見てこようと思っています。


ameblogのときのエントリにも書いてのですが、15年前に一度僕はNYのホームステイ先でこのアカデミー賞授賞式を見たことがありました。その華やかさやエンターテイメント性に魅了されその時のことは今でもよく覚えているのですが、当時の司会はビリークリスタル。そして今回もなんとビリーが司会を務めます!なんとも不思議な縁ですが、あの時から15年経ってぐるっと一周して何かが繋がったような気がします。


さて、気なるオスカーの行方ですが、僕の読みを少しだけ。とは言え、作品を全部見ていないので恐縮なのですが。


・作品賞は"The Artist"ではないでしょうか。僕も映画館で観ましたが、本当にすばらしいの一言です。サイレント映画(台詞が字幕で最小限)ということもあり、退屈に感じる人もいるかもしれませんし、フランスのチームが制作した映画ということでハリウッドのアカデミー会員に受け入れられるのか、というのはありますが、古きよきハリウッドの全盛期をオマージュした内容や、俳優人の素晴らしい演技、台詞無しでも観客の心を揺さぶるストーリーと演出、という所では群を抜いていると思います。特に主演のジャン・デュジャルダンは本当に素晴らしい演技でした。という訳で主演男優賞は彼でしょう。


・監督賞は、"HUGO"のマーティン・スコセッシでしょうか。"HUGO"もエンターテイメント性に溢れた素晴らしい映画でした。こちらも映画産業黎明期のオマージュにあふれています。マーティンがなぜ今、しかも3Dで撮ったのか、観ているとよくわかりました。


・視覚効果賞。これは米・視覚効果協会賞(VES)の結果が反映されることが多いことも勘案して、『猿の惑星:創世記』が固いのではないでしょうか。すばらしいアニメーション、本物と見紛うばかりのモデル、フェイシャル、ファーアニメーションでした。エフェクトシーンもすばらしかったです。


・アニメーション部門は、やはり『ランゴ』ですかね。個人的には、ノミネートを外れた『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』が受賞にふさわしいと思ったのですが、なんで外れたんでしょうね。。


他部門は、ちゃんと観ていないため割愛します。全てではありませんが、受賞式前にノミネートされた映画を観ることができた本当に良かったです。さてさて、結果やいかに。。

2012/02/23

2週目水曜日 書いても難しい

最近独り言が多くなりました。あそこではああいうべきだったなー、ってのが思い出したときに口をついて出てしまいます。帰り道とか、部屋の中とか。英語の7割くらいは"自信"でしゃべってるんだと思うんですよね。自信があれば間違いを気にせず強気でどんどん話せます。自分の好きなことや、専門分野、英語に自信がついてきたとき、なんかは比較的話せると思うのです。自信が無いときは、難しいですね。日本語でも、自信が無いと言葉がすらすら出てきませんよね。上司に怒られてるときとか。すみませんでした、しか出てこない。という訳で、自分の中で自信を持てるまではしんどいなと思います。レンガを積み上げるように、一つづつ、ですね。。

今日は、LAのTDの人と新しいツールについてチャットを使って教えてもらったのですが、理解がうまくできませんでした。話してもらって聞き取れないのはわかるにしても、書いてあってもわからない、というのはなかなかこたえます。チャットでブロークン英語なのもあるし、システム的に難しい部分もあるのですが、、なかなかコミュニケーション難しいですね。
良かったことは、制作中のエフェクトがまぁまぁいい感じに動いていることです。いろいろと隣のArtistの方に教えてもらいました。やはりものすごく勉強になります。こういうときは本当に嬉しいですね。ボスの要求をしっかり理解して、詰めていきたいと思います。

2012/02/21

仕事を始めて2週目に

週末に見たこの記事が非常に印象に残っています。心臓外科医の天野篤 先生のインタビューです。

ドクターズインタビュー

一部引用させて頂きます。

"若手がベテランと張り合えるのは勉強しかないです。とにかく知識を溜める。若い人はただ溜め込んだ知識の出し方を知らないだけなんです。僕の若い頃は新書を読み漁っていたけれど、今の若い人は本を読まないですね。
若い人は知識のバトルをもっとするといいです。例えば1例の手術に対して5人のドクターがそこにいれば、それぞれ手術の方法とか見解を述べ合って、5倍得られるはずです。この人はこう言った、あの人はああ言った、僕はこんな事に気づいた、という風に。これが僕の勉強方法でした。臨床で見たものは逃さないつもりでノートなんか取らないで、その場で頭に焼き付けてました。"

ーー引用ここまで

なるほどなぁと思いました。働き始めて本当に実感することですが、ベテランのArtistと張り合うためには死に物狂いで勉強するしかなくて、webチュートリアルなどをつかって、1分1秒でも長く触って方法論を覚えていくしかない。その上で自分の意見をぶつけて、フィードバックをもらいそこから学んでいく。恐らくどんな仕事でも言えることなんじゃないでしょうか。

幸いにも、生き死に直接関わる仕事ではないので僕みたいな未経験でも仕事を任せてもらってますが、お医者さんは本当に大変だとこの記事を見て改めて思いました。初めて患者さんの身体にメスを入れるとき、経験したことの無い手術をするとき、、かかってるものの重さが違います。きっと逃げ出したいのを堪えながらやるんでしょうね。世の中で一番タフな仕事じゃないでしょうか。

2012/02/18

5日目 料理人のように

カナダに持ってきた数少ない本の中に、この斉須政雄さんの『調理場という戦場』という本があります。もうずいぶん前に買った本ですが、これまで何度も読み返した本で、特にこちらに来てからは、ページを開くことが多くなりました。斉須さんは現在、コート・ドールというフレンチレストランのオーナーシェフをされている方で、23歳で単身フランスに渡り、三ツ星レストランも含め12年間、フランスのレストランの第一線で修業してこられた方です。フランスに来た当初の言葉が通じない中でもがいていく姿は痛々しいぐらいですが、これが海外で働くという現実なのだということが良くわかります。僕も働き始めて改めてその意味するところをやっと理解できました。

お客さんが目の前にいる待ったなしの状況で、兎にも角にも料理を完成させてお客様を満足させなければいけない。いまの仕事も似ているところがあるなと思います。一料理人として任されたパートの料理をきっちり完成させなければいけません。周りの先輩もそれぞれに担当があり手取り足取り教えてる余裕はありません。何日かR&Dの時間をもらえているので、その間、経験の無さを補うためには、自分のレシピを増やし、それを意味がわかるまで繰り返し練習し、当日決まったメニューに対応できるようにする必要があります。

自宅のキッチンで料理を作ることと、お客さんに食べてもらうための料理を作ることは天と地の差があると思います。でもやるしかない。経験不足は練習の量で補うしかありません。幸いにもいくつかの素晴らしいレシピを日本人の方がblogなどで用意してくれています。これを元に自分なりの応用ができるまで何度も練習を重ねていこうと思います。

2012/02/17

4日目 仕事をアサインされる

LAとをつないでのMeetingがあり、スーパーバイザーや、マネージャから今度のプロジェクトについてレクチャーをしてもらった。一人ひとりに、君は大体こんなのを作ってほしいと説明を受ける。僕も普通に仕事を振って頂いた。誰かのアシスタントぐらいから始めるのかと思っていたが、普通にアサインをされた。完結できると思ってもらえてるのだろう。ありがたいことだ。逆を返せば、できなければチームにいる価値がないということだ、あたりまえだけど。初めての実戦で初めて取り組む分野のエフェクト。責任の大きさから緊張でMTG中も足がガクガク震えたが、ここまできてできませんなんてどの面下げて言えるのか。やるしかない。
終わった後、万が一うまくいかなくても命までは取られないだろうと考えて少しは気が楽になった。まずこ1ヶ月、全身全霊をかけて取り組もう。これだけ初めての取り組みが重なるのもそうそうなかった。自分にとって間違いなく人生で一番困難な1ヶ月になる。

2012/02/15

2日目

音に聞こえたパイプラインというものを目の当たりにしています。これまで一人で完結していたものを、前後の部署と効率的に連結させる仕組みに乗せていかないといけない。果たして、非常に複雑そして制限が多い。しっかりと理解しないと自分だけではなく他にも影響を与えてしまうと思うと、コマンドを打つ指がすくんでしまう。そしてHoudiniも初めて触ったけれどカスタマイズされていて、同じものを触っている気がしない。恐ろしい。うまくやれるだろうか、というかやるしかない。今はまだ聞ける。頭を整理して、疑問点を洗い出し、一つ一つ聞いて確かめていこう。

2012/02/14

初日

本日、勤務初日でした。緊張で終始笑顔が引きつっていたのが自分でも良くわかりました。
オリエンテーションがメインでしたが、英語を聞き取ること、パイプライン、ツールの意味を理解することで、頭がパンパンになりました。一緒に入社したFX Artistの方は、前職の経験もあってどんどんと理解されていたようです。
英語がわからないんじゃなくて(わからないけど)、説明している機能の意味が予測できないから聞き取れない、理解できないんだな。。使い倒して意味を理解するしかないようです。残業は許可なしでは厳禁なので、明日から朝早めに出て触っていきます。

2012/02/12

就職のご報告


最高に嬉しいニュースをご報告したいと思います。

Rhythm & Hues Studios*というVFXの会社から仕事のオファーを頂くことができました。
来週の月曜日からここバンクーバーで働き始めます。憧れのハリウッド映画の仕事を手がけることができます!!
* http://www.rhythm.com/features/

1月末に面接を受け、今週、最終オファーをもらいました。4ヶ月の試用期間はあるものの、うまく仕事をこなして認められれば、プロジェクトの終わる10月末まで雇用してもらえます。

前職を辞めてから専門学校に通い、卒業後はアルバイトを3つ掛け持ちで資金を貯め、カナダに渡り半年、ようやく結果を出すことができました。足掛け2年半の長い長い道のりでしたが、皆さんの応援とサポートのおかげでこの大きな夢をかなえることができました。
本当にありがとうございます。

家族や友人、諸先輩方、そして当blogで応援して頂いた皆さんのお力添えがなければ、決してここまで来ることができませんでした。専門学校入学と共に始めたこのblogを通してたくさんの方と知り合うことができ、時には自分の名刺代わりとなり、信用を得ることにもつながりました。自分の大きな財産になっています。更新頻度はまちまちで申し訳ありませんでしたが、ここに来るまでに経験したことは、近いうちにしっかりとまとめて公開して行く予定です。また、海外のプロダクションでのこれからの経験などについても投稿していくつもりですので、これからもどうぞよろしくお願い致します。

時間はかかってしまいましたが、ようやくタイトル通り、CGクリエイターとなることができました。とは言え、まだようやくスタート地点に立ったばかりです。いましばらくこのblogタイトルのまま、一人前のCGクリエイター、もとい、Digital Artistを目指して精一杯頑張っていきます!

皆さん、本当に本当に、ありがとうございました。


やったーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!