カナダに持ってきた数少ない本の中に、この斉須政雄さんの『調理場という戦場』という本があります。もうずいぶん前に買った本ですが、これまで何度も読み返した本で、特にこちらに来てからは、ページを開くことが多くなりました。斉須さんは現在、コート・ドールというフレンチレストランのオーナーシェフをされている方で、23歳で単身フランスに渡り、三ツ星レストランも含め12年間、フランスのレストランの第一線で修業してこられた方です。フランスに来た当初の言葉が通じない中でもがいていく姿は痛々しいぐらいですが、これが海外で働くという現実なのだということが良くわかります。僕も働き始めて改めてその意味するところをやっと理解できました。
お客さんが目の前にいる待ったなしの状況で、兎にも角にも料理を完成させてお客様を満足させなければいけない。いまの仕事も似ているところがあるなと思います。一料理人として任されたパートの料理をきっちり完成させなければいけません。周りの先輩もそれぞれに担当があり手取り足取り教えてる余裕はありません。何日かR&Dの時間をもらえているので、その間、経験の無さを補うためには、自分のレシピを増やし、それを意味がわかるまで繰り返し練習し、当日決まったメニューに対応できるようにする必要があります。
自宅のキッチンで料理を作ることと、お客さんに食べてもらうための料理を作ることは天と地の差があると思います。でもやるしかない。経験不足は練習の量で補うしかありません。幸いにもいくつかの素晴らしいレシピを日本人の方がblogなどで用意してくれています。これを元に自分なりの応用ができるまで何度も練習を重ねていこうと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿