2011/04/28

何かを辞めて、新しく始めることについて

先日、東京の家を引き払って実家(福岡)に戻りました。
本当は、カナダ行きの資金を東京で働きながら稼いでいくつもりでしたが、個人的な事情でそうもいかなくなり、実家に戻ってきた次第です。
幸いにも、東京で仕事をさせてもらっていた上司が、自宅でできるなら続けて良いよ、と言ってくれたため、現在週3日でデザイン制作の仕事をしています。
残りは、CGの勉強に当てるようにしています。


今回の決断もそうでしたが、何かを止めて(辞めて)、新しいことをはじめるときに、誰しも葛藤があると思います。
いまから転載するのは、今から1年半ほど前に、当時2年間勤めていた仕事を辞めて、専門学校に通い始めの時に某SNSに書いた日記です。当時僕は、2年間勤めていた会社をやめ、CGの道に進む決断をして、専門学校に入学したばかりでした。


仕事の選択もそうですし、特に、僕は当時28歳で、30という人生の岐路を前にしてどういう選択をするべきか、今後の人生をどう歩むのか、という所で悩む所が大きかったと思います。



まぁ、今も相変わらず悩みは尽きませんが、振り返ればあのときの選択は間違ってなかったと思います。この日記を見ると決断をした時の産みの苦しみというか、初心を思い出すことができて、気持ちが引き締まります。
やはり、人間やると決断するまでがキツいんですよね。決めてしまえば後はやるだけだから、ずいぶん気持ちは楽です。
某SNSはほとんど使わなくなったのでこちらに転載したいと思います。
もし、似たようなことで悩んでいる方にとって、何か参考になる所があれば幸いです。


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2010年10月4日
先日、仕事を辞めた。 
もともと、こんなに早く辞めるつもりはなかった。 
年始には、温泉にこもって、今年1年の仕事の目標を立てたりしてたぐらいだ。 

それが変わったのは、今年の5月。 
全然新しい仕事を任されて、まったく訳がわからず、 
1週間、夜明けまで仕事して、タクシーで家に帰ってシャワー浴びて、 
1時間寝て、朝9時に出勤してまた夜明けまで仕事して、という生活が続いた。 
しかし、全く成果を出せず、結局締め切りギリギリに上司にゼロからやってもらうことになる、という出来事があった。 

もう入社して1年半で、ある程度はやれるはずと思っていたことが、 
全くできなかったことがショックだった。 
同僚は、難しい仕事だから仕方ないよ、と慰めてくれたが、 
逆に、これができるのに、あとどれぐらいの時間と努力が必要なのかを考えたときに、目の前に大きな壁が出来てしまった。 

そのあまりに大きな壁を前に、モチベーションは下がり、 
そしてまもなく心がぽっきりと折れてしまった。 

ここで、なにくそ、と壁を乗り越える、という選択が間違いなくあった。社会人であれば、こういう試練は当たり前にあるし、壁を乗り越えて強くなるものだと思う。 
自分も、過去、そういう壁にぶつかっては、なんども挑戦してきた。 

ただ、今回は、多分3年はじっくり腰を据えてやらねば登れない壁だと思った。社会人7年目、それくらいはわかった。 

3年、と思った時に、本当にこの会社に3年いるのか、その後、自分はどうしてるだろうか、と考えた。 
そのイメージがわかんかった。 

もちろん、最初からずっとこの会社にいる、という人生設計ではなかったし、キャリアアップしていつかは転職をとは思っていた。 
しかし、3年後、32歳で壁を登った後、この業界にいて、 
自分のなりたい自分になれているか、そのイメージがなかった。 
そう、ちゃんと将来のことを考えてなかったのだ。 

この壁は登る価値のある壁なのか?なりたい自分になれる壁なのか? 
違うな、と思った。 
ならば、仕事を辞めて、自分のなりたい自分に成れる仕事をしようと思った。 

転職サイトを回り、本を読み、父親に相談し、いろいろ考えた結果、結局、自分のやりたいことは映像・映画の仕事だという結論に達した。自分が大学のころにやっていたことだった。 
そしてもうひとつ、世界で勝負したいという夢もあった。 
その二つをかなえられるのがCG・VFXの仕事だった。これだと思った。 

そこから、学校を探し、上司に相談し、引継ぎをし、9月末で退職した。 

もちろん、周りからは、あいつは逃げたな、と思われたんだと思う。 
同僚や、上司も、きっとそう思っただろう。 
確かに、社会人的には、逃げたということになるんだと思う。 

3年前、25歳ぐらいなら、この壁にトライしていたと思う。 
がむしゃらに、後先は考えずに、目の前にある壁は登るものだと思って、チャレンジしていたと思う。 
しかし、今、自分は28歳だった。 
いつの間にか社会人7年目になっていた。もう有り余る時間を使える歳でないことに気づてしまった。 

人間には「人生の締め切り」がある。 
社会的な「年齢の締め切り」もある。 
そういったことを考えると、なんでもかんでも目の前にある壁を片っ端から乗り越えるのではなく、越えるべき壁を自分で選ぶ、という決断が必要だと思う。登るべき壁があるのならば、捨てるべき壁、もまたあるのだと思う。 

○○(友人)も書いていたが、 
30歳前に、決断をする人が多いのはそういうことが理由じゃないかと思う。 
きっとみんな壁にぶつかったのだ。 
順調に仕事がいっていれば、誰も仕事を辞めたり、転職なんて考えない。今の会社で頑張るに決まっている。 

登りきれない大きな壁にぶつかった人だけが、この壁を登るべきかを考え、登らないという選択をした人は、自分が本当に登るべき壁を目指して、新しく何かを始めるのだと思う。 

だから、壁が見えないうちは、無理に決断をする必要はないと思う。 
今の仕事を頑張れば良いし、壁にぶつかっても、越えられると思うなら、登ればいいと思う。 
それは、本当に自分に向いている仕事なのだと思う。 

越えられない壁が見えたとき、その時は、立ち止まって、考えてみるといいと思う。 
自分の人生を考えるとてもいい機会だ。 
そして、それはきっと、絶妙のタイミングでやってくると思うのだ。 

その時は、自分の頭で、精一杯考えてほしいと思う。 
もちろん、いろんな人のアドバイスを聞いてもいいが、 
最後は自分の意思で決断をしてほしい。 

誰かの意見で、自分の人生を決めて、うまくいかなかった時、 
その誰かは責任を取ってくれるだろうか? 
もちろんNOだ。それは間違いない。 

だから、自分の人生のハンドルを、他人に委ねてはいけないのだ。 
自分がしっかりとハンドルを握り、最後の決断は自分でしてほしいと思う。 

正直、今回の決断は、上司、両親、兄弟、友人、多くの人に反対をされた。 
でも、最後は自分で決めた。やると決めたのだ。 
自分で決めたことだから、うまくいっても、駄目でも全部自分のせいだ。 
だから、逃げずにやるのだ。 

1年後か、もっと先にか、 
自分の決断が正しかったと証明できるように、頑張りたいと思う。 

僕は、今この手にしっかりと握っているハンドルだけは絶対に手放さないと決めている。 




…以上、自分の今回の経験から思うことを書いてみました。 
今現在、悩んでる人も多いと思うけれど、頑張ってください。 
俺も頑張ります。 


今回の決断にあたり、参考にした本があります。 
「プロ論。」徳間文庫  http://amzn.to/jChxdn
2冊出てます。 
経営者、芸能人、学者、棋士、スポーツ選手、小説家、誰もが知ってる一流のプロと呼ばれる人のの仕事観や、この仕事でプロになろうと思った経緯、などがインタビュー形式で載ってます。 
僕が、自分の好きなことを仕事にしようと思うに至った本です。 
お勧めなので、ぜひ読んでみてください。 
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